
このガイドでは、PowerBar の栄養の専門家が、水分やエネルギーを補給したり、トライアスロンから回復する最良のな方法をご紹介します。 栄養を適切に補給することは、トライアスロンイベントでは大変重要です。以下に詳しくご説明しましょう。
スポーツ栄養が必要な理由
トライアスリートは、心身ともにタフで、イベントで全力を尽くす準備が整っている必要があります。 ロングディスタンストライアスロンは、ほぼ間違いなく最も過酷な 1日イベントと言えるでしょう。
ペースに遅れずについていき、力強く完走するためには、トレーニング中も競技中も、身体に適量の水分や栄養を補給する必要があります。 毎日のニーズに合わせた健康的で多様な食事は、トライアスロンのしっかりとした土台となるでしょう。 そうした食事に、トレーニングの前と途中、後をそれぞれターゲットとしたスポーツ栄養を組み合わせると、トレーニングを有効に活用してパフォーマンスを向上させることができます。
以下の図は、スポーツ栄養を取り入れた場合と取り入れない場合の、トレーニングへの適応過程を説明したものです。
スポーツ栄養の 3つの原則
持久系アスリート向けのスポーツ栄養について、最も重要な 3つの原則は以下の通りです。
- 水分補給: 身体に十分な水分を補給
- エネルギー補給: 筋肉を刺激
- 回復の促進: 再生を最適化して、トレーニングへの適応を促進。
水分補給
スポーツに参加したときの疲労の主な原因は、脱水症 (体内の水分量が不足した状態) です。 一般的に、運動前の体重の 2~3% 以上が水分として失われると、身体的・知的能力が低下することがあります。
水分量を適切に保つには、以下のシンプルな 3つの手順に従ってください。
- 常に、十分に水分を補給してから運動を始める。
- サイクリングやランニング中には、一定間隔で水分を補給する。
- 運動後には、水分を補給して回復を促す。
距離が長くなればなるほど、また温度や湿度が高くなればなるほど、水分を補給する必要も高まります。
運動の継続時間や激しさ、気象条件、発汗量など、さまざまな要素に応じて、持久系の運動中に必要な水分量は異なります。 1時間を超える持久系の運動で補給する一般的な水分量は、1時間当たり約 400~800ml です。1時間につき、たとえば 15分ごとに 150ml など、少量を定期的に取ると良いでしょう。 高温環境で競技をする場合、低温環境よりも 1時間当たり多くの水分が必要になります。
エネルギー補給
運動するにはエネルギーが必要になります。 運動が激しく (速く)、時間が長くなればなるほど、消費するエネルギーの割合が高くなります。
炭水化物は、持久系の運動で素早くエネルギーを補給できる主な栄養素です。身体へのエネルギー源として、肝臓や筋肉の中にグリコーゲンの形で保存されます。 筋グリコーゲンは、動作中の筋肉の炭水化物源としてすぐに利用できます。また、肝臓グリコーゲンの主な役割は、血糖値を維持することです。血糖値が下がると低血糖症を引き起こすことがあり、たとえば注意力の低下や集中力の欠如につながります。
筋肉や肝臓の中にエネルギーが十分蓄えられているときだけ、もっと遠くまで、もっと速く行けることに気付かれることでしょう。 イベント前の食事の取り方としては、運動の 3~4時間前に、脂肪や繊維質が少なく、炭水化物が豊富で消化の良いものを食べると良いでしょう。たとえば、低脂肪トマトソースパスタや、温かいまたは冷たいシリアルのバナナ添え、蜂蜜と低脂肪ヨーグルトなどです。
イベントの 1時間前までには、炭水化物が豊富な少量の軽食 (や 、完熟バナナ、蜂蜜を塗ったトーストを取ると良いでしょう。 イベント前で落ち着かないときや食欲がわかないときは、電解質ドリンクや水に溶かしたジェルなど、炭水化物源の液体を取ることをお勧めします。
体内に蓄えたグリコーゲンが枯渇すると、激しい運動を続けることができなくなります。 そのため、長時間のランニングやサイクリング中には、適切な供給源から適量の炭水化物を補給する必要があります。
持久系のスポーツ向けに開発された、以下の PowerBar 商品をお勧めします。これらの商品には、ブドウ糖と果糖の特殊な比率での配合、Dual Source Carb Mix が採用されています。
- PowerBar ISOACTIVE
- PowerBar ENERGIZE バー
- PowerBar ENERGIZE ウェハース
- PowerBar POWERGEL
- PowerBar POWERGEL SHOTS
- PowerBar PERFORMANCE SMOOTHIE
推奨される炭水化物の摂取量は、運動の持続時間や激しさにより異なりますが、上限は 1時間当たり 90g です。
'Train Low'
'Train Low' の原則は、炭水化物を少なめに摂取してトレーニングすることです。 簡単に言うと、エネルギー源として使うため、身体にわずかな炭水化物を摂取します。
スピードトレーニングなどの激しいトレーニングセッションやレース中には、筋肉や肝臓の中にグリコーゲンを十分に蓄えることが大切です。 長時間の持久系の運動中は常に、炭水化物を定期的に取る必要があります。 これは、不足分を効率的に補う唯一の方法です。
耐久トレーニングへの適応性を養うため、また脂肪代謝を最適化するためには、炭水化物を少なめに摂取して、強度の低いトレーニングセッションを行うことが有効な場合があります。 現行の 'Train Low' のやり方としては、たとえば一晩絶食後、つまり朝食を取らずに午前中トレーニングをするなどがあります。 他には、蓄えられたグリコーゲンをあらかじめ枯渇させてからトレーニングを行う方法もあります。その場合、筋肉や肝臓の中に蓄えられたグリコーゲンをすべて消費するため、激しいセッションが採用されます。 その後の回復プロセスでは、パンやパスタ、ミューズリー、じゃがいもなどの炭水化物が含まれていない食事を取る必要があります。 その日 2つ目のトレーニングセッションは、炭水化物を大幅に少なく摂取して、トレーニングの強度を低くします。
簡単に言えば、現在 'Train Low' の栄養プランやトレーニングプランは数種類あり、身体への影響もそれぞれ異なります。 どの 'Train Low' のやり方をトレーニングプランに的確に取り入れるかは、個別に決定される必要があります。
回復の促進
激しい耐久トレーニングや競技の後は、回復が肝心です。 激しいトレーニングの途中や、1日に複数のトレーニングセッションを行うときには、素早い回復はなくてはならないものです。 加えて、スポーツ栄養は、トレーニングに関連する適応過程を促し、複数のトレーニングセッションの有効活用に役立ちます。
運動直後に、適切な栄養を適量補給することが大切です。 身体が必要としているものは以下の通りです。
- 身体に蓄えられたグリコーゲンを補充する炭水化物。
- 損傷した筋肉組織を修復し、新しい筋肉組織を作る上質なタンパク質。
- 効率良く水分を補給するための水分と電解質 (特にナトリウム)。
トレーニングの後にはできるだけ早く (できればシャワーを浴びる前に)、十分な水分とともに、炭水化物とタンパク質を身体に補給する必要があります。
I食事や固形食を取りたくないときは、リカバリードリンクがお勧めです。 は、運動直後に摂取して、高品質のタンパク質と炭水化物、ミネラルを補給するようデザインされています。
おいしい と、水分や との組み合わせも、運動直後に適しています。
筋肉が蓄えるグリコーゲンの量を最適に保つには、リカバリードリンクを飲んだ後に、炭水化物の豊富な食事を摂ると良いでしょう。これは、運動後に摂取する炭水化物の総量を増やすことが、長期にわたる回復で最も重要な要素だからです。
「レース当日」の栄養プラン
新しい栄養プランは、まずトレーニングで試すようにしましょう。特にトレーニングの強度や期間などは、受容性の面で重要な役割を果たします。 たとえば、高い運動強度や緊張感は、食べ物や飲み物を身体が受け入れる度合いを低下させます。 そのため、重要なレースや、レース前日のトレーニングでは新しい栄養プランを試さないことをお勧めします。これは、レース前日に試すと、翌日に影響が出ることがあるためです。
カーボローディング
筋グリコーゲンを最大限に蓄えておく必要があるレースに参加する場合は、カーボローディングを取り入れると良いかもしれません。カーボローディングは、炭水化物の摂取量を徐々に増やしながら、レース前日までにトレーニング量を減らす特殊なテクニックです。 適切に行うと、筋肉に蓄えられるグリコーゲンを大幅に増やすことができます。
カーボローディングの方法は、ここ数年で大幅に変化してきました。 レース前にエネルギーを最大限蓄えるための効率的で簡単な方法は、レース前の 1週間に、トレーニングのスケジュールを減らしながら、体重 1kg 当たり 7~12g の炭水化物を摂取することです。
以下の PowerBar プレートモデルは、複数の食品群でバランスを取って炭水化物の豊富な食事を取るためのシンプルなプランを示しています。
PowerBar® プレートモデルに基づいた炭水化物の豊富な食事の例には、以下のようなものがあります。
- 低脂肪乳とフルーツを添えたポリッジ
- 大さじ 1~2杯の低脂肪粉チーズを添えた低脂肪トマトソースパスタ
- ドライフルーツなど炭水化物を多く含むスナック
グリコーゲンは、水とともに筋肉中に蓄えられます。 つまり、筋肉に蓄えられるグリコーゲンが効率的に十分補充されている場合は、水も大量に蓄えられているため、体重が増えます。 レース前のカーボローディングが大切なのは、そのためです。
長いトレーニングセッションの前には、カーボローディングを練習するようにしましょう。 これは、カーボローディングを成功させるために必要な食べ物や飲み物の種類や量を調節するのに役立ちます。また、カーボローディングにより期待できるパフォーマンス上の成果を感じ取ることもできます。
レース当日の栄養補給
レース当日に身体が受け付ける食事については、大きな個人差があります。そのため、どんな食べ物をいつ、どのくらい取るのが自分にとって良いかを確かめておく必要があります。 トレーニングの強度や期間などの要素は、受容性の面で重要な役割を果たします。 たとえば、高い運動強度や緊張感は、食べ物や飲み物を身体が受け入れる度合いを低下させます。
例: トライアスリート向けのスポーツ栄養プラン (ロングディスタンス (11時間 19分) 中に 1時間当たり約 87g の炭水化物を補給)