
シューズの商品特性は省略語や聞きなれない言葉で語られることが多いもの。異なるソールやドロップの種類に混乱することもあるでしょう。このガイドでは、聞きなれない技術的なランニング専門用語を解説します。
かかととつま先の高低差を表すドロップ (スタックハイトと呼ばれる場合あり): かかととつま先間のミッドソールの高さの差はドロップと呼ばれます。簡単に言えば、シューズがどれくらい「傾斜」しているかということです。その傾斜がない場合はゼロドロップと言います。
ゼロドロップ: ゼロドロップや小さいドロップを採用したシューズは、足裏の中間からつま先を使用して着地するランナーに適しています。また、より直接的な着地の感触を得たいというランナーにも向いていると言えるでしょう。
プロネーション (回内特性): プロネーション (足の回内特性) はかかとが地面についた段階から始まります。かかとが着地したのと同時に、足はアーチを地面に合わせながら、自然に内方向に回転します (アーチとは靭帯や筋、腱によって構成されるアーチ型をした骨組みのことで、縦横合わせて 3つのアーチがあります)。この足の回転は、体が衝撃を吸収するための自然な動作であり、ランニングに欠かせない作用です。足がどの程度内側に回転するかで、プロネーションは「ニュートラル」、「オーバー」、「アンダー」に分かれます。
ニュートラルプロネーション: 足取り (英語では Gait と綴られます) が標準的な方は、足の内回転も標準的です。
歩き方、足取り: 英語の Gait は歩き方、走り方、足取りなどと翻訳されます。人間の足取りには少しずつ個人差があるものです。足取りを知ることで、ご自身がニュートラルのランナーなのか、オーバー、アンダープロネーションランナーなのかが分かるでしょう。
クッション性: ニュートラルランナーやアンダープロネーションランナー向けにデザインされたシューズはクッション性が特長です。ランニング中の衝撃を吸収する働きがあります。
安定性: オーバープロネーションランナー向けにデザインされたシューズは安定性が特長です。ランナーに違和感を与えることなく足の内側への過剰な回転を抑える働きがあります。更に、ランニング中の衝撃の吸収を補助するクッション性も発揮します。
トウボックス: つま先が入る場所と言うと分かりやすいかも知れませんね。幅広のトウボックスや大きめのシューズのサイズを選ぶと、シューズ内の足の動きに余裕が出ます。これにより、長距離ランニングで起こりがちなつま先の靴擦れを防ぐことができます。
アッパー: 足を包み込み、安定フィットを実現する素材はアッパーと呼ばれます。シューズを見たときに真っ先に目に入る部分です。
アウトソール: 「靴のソール」と聞いて、大半の人が最初に思い描く部分と言えるでしょう。硬いラバーは地面と接触するためだけでなく、滑り止めを発揮する効果もあります。
ミッドソール: シューズのクッション性は主に、アッパーとアウトソールの中間にあるこのミッドソールが実現します。大半のミッドソールはフォーム素材でできていますが、エアやジェルなどのクッション性素材が追加されている場合もあります。